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AIを持ち込むのではなく、地域からつくる。AI/CLをはじめた理由

AI/CL(AI Culture & Locality Lab)という新しい取り組みを始めました。

東京を拠点とするtazikuと、沖縄を拠点とするChibariyo。クリエイティブとテクノロジー、それぞれ異なる強みを持つ二つの会社でつくった共同組織です。

なぜ、いま新しい組織をつくるのか。
理由は、AIの可能性が大きくなるほど、技術だけでは解決できない領域も見えてきたからです。

AIで何ができるか、から始める限界

AIを使えば、さまざまなことができます。

案内を自動化する。
情報を多言語化する。
画像や映像をつくる。
膨大なデータから、必要な情報を探し出す。

できることは、これからも増えていきます。
しかし、「AIで何ができるか」だけを起点にすると、似たようなサービスが増えていくようにも感じています。

技術的には正しい。
機能も十分にある。
それでも、なぜか使われない。
そこに足りないのは、AIの性能ではありません。

誰の、どんな課題を解決するのか。
その場所に、どんな文化や物語があるのか。
何を残し、何を変えるべきなのか。
地域の文脈です。

地域に足りないのは、魅力ではない

地域には、すでに多くの価値があります。
歴史、文化、風景、食、人の知恵。そこに暮らしている人にとっては当たり前でも、外から見ると大きな魅力になるものがある。
それでも、その価値が十分に届いているとは限りません。

情報として整理されていない。
体験として設計されていない。
サービスとして継続できる形になっていない。

つまり、地域に足りないのは魅力ではなく、魅力を外の世界へつなぐ構造なのかもしれません。

AIは、その接続を大きく変えられる可能性があります。
ただし、AIを地域へ持ち込めば、それだけで価値が生まれるわけではない。
地域を深く理解し、技術を選び、体験を設計し、実際に使われる形まで実装する必要があります。

技術だけでも、クリエイティブだけでも届かない

技術だけでつくると、機能は動いても、人の心が動かないことがあります。
一方で、クリエイティブだけでつくると、魅力的な構想は生まれても、実際のサービスとして続かないことがある。

構想と実装。
地域と世界。
テクノロジーとクリエイティブ。

これらは別々に存在するものではなく、本来、一つにつながっている必要があります。
沖縄でテクノロジーを実装するChibariyoと、東京で事業や体験を設計するtaziku。

案件ごとに協力するだけではなく、一つのチームとして継続的に実験し、開発する。
そのための形としてAI/CLをつくりました。

なぜ、観光から始めるのか

AI/CLの起点は観光です。
観光には、地域が持っている要素の多くが集まっています。

場所がある。
文化がある。
言葉がある。
移動がある。
人との出会いがある。

そして、訪れる前、滞在している間、帰った後まで、地域と人との関係が続いていく。
AIによって更新できる余地が大きい一方で、単純な効率化では成立しない領域でもあります。
便利な案内をつくるだけでは足りない。情報を増やすだけでも足りない。

その土地を理解したくなること。
実際に訪れたくなること。
訪れた後も関係が続いていくこと。

観光を情報提供から関係設計へ変えていく。その入口に、AIが使えるのではないかと考えています。

AIを導入するのではなく、価値をつなぐ

AI/CLが目指しているのは、地域へのAI導入ではありません。
地域にすでに存在する価値と、AIによって生まれた新しい可能性をつなぐことです。

小さくつくる。
実際に触ってもらう。
使われ方を見ながら改善する。
事業として続く形へ育てていく。

完成したサービスを外から持ち込むのではなく、その地域に必要なものを、地域から考える。
AIの時代だからこそ、最後に価値になるのは、その場所にしかない文脈なのかもしれません。

場所を超える。
領域を超える。
会社という境界も超える。

まだ結ばれていない価値と価値をつなぐために、AI/CLを始めました。